偶有性の海


昨日のブログで「遇有性の海」という言葉を最後に使った。



「偶有性(ぐうゆうせい)の海」という言葉に出合ったのは脳科学者である茂木健一郎氏の本の中。



彼のブログ(クオリア日記)にも散見される。
http://kenmogi.cocolog-nifty.com/qualia/2010/04/post-8181.htmlhttp://kenmogi.cocolog-nifty.com/qualia/2010/04/post-2fb5.html



偶有性とは「他の状態でもありえるのに、たまたまその状態でもある、という属性」のこと。



はてなブックマークからの引用だが、例を挙げる方がわかりやすいと思うので試してみる。



「二人で歩いていたらたまたま抽選券をもらい、自分ではなく彼女にiPad2が当たった」
「ある町に観光に出掛けたら、たまたま会社の同僚に出会った」
「たまたま友人から聞いた会社に資料請求をすると、面接、採用になり、働き始めた」



偶有性には因果関係がない。だから「たまたま」こうなったという状態が偶有性の特徴だ。



昨日のブログで「自分は何を受け取りたいのかを真剣に考え、その準備をしよう」と書いた。



それは自分で自分が求めるものを明確にし、それを手に入れるために努力をすること。



それが大切であることに変わりはない。しかし、人生は誰もが経験し、肌身で感じているように全てを自分でコントロールできるわけではない(少なくとも自分の意識上では思う通りにはいかない)。自分の意識の外側で起こること、つまり自分が想定していないことは必ず起こるし、それを恐れるのではなく、楽しもうとする心、それが偶有性の海を泳ぐということなのではないか。



今日起こることを予期し、準備し、自分でコントロールする。



と同時に、



自分では予期しないこと、コントロールできないこと、それもサプライズとして楽しんで受け入れ、自分のものにしていく心の準備も併せてしていきたい。



なぜなら、



「全ては偶然ではない」



のだから。