一年の計



一年の計は元旦にあり。



最近あまり耳にしなくなった気がするのはただ単に親が口にしなくなっただけかもしれない。



改めて言葉の意味を調べてみるとこんな説明がされていた。





【読み】いちねんのけいはがんたんにあり
【意味】一年の計は元旦にありとは、計画は早めにしっかりと立てるべきだという戒め。


一年の計画は年の初めである元旦に立てるべきであり、物事を始めるにあたっては、最初にきちんとした計画を立てるのが大切だということ。
『月令広義・春令・授時』に「一日の計は晨(あした)にあり、一年の計は春にあり」とあるのに基づく。
「元旦」を「元日」「正月」と言い換えることもある。

「一日の計は朝にあり、一年の計は元旦にあり」と続けてもいう。




元旦の過ごし方がその後の一年を決める。



そう理解をしていた自分は誤解していたようだ。



元旦からぐうたらさせない親の戦略だったかもと思い当たり苦笑する。



何れにせよ、



行き当たりばったりの人生をこれまでは送ってきたけれど、そろそろ計画性を持たせてもいいかもしれない。



「自分らしく生きる」



それを新年の抱負としたい。



あれ?



「自分らしく生きる」と「計画的に生きる」は両立しない気がする・・・



ま、あまり気にせず、計画を立てるというのでいいのではないか。



それが元旦の計画。



一年の計は元旦にありの実践。



ということにさせていただこう。



旧年中は拙いブログをお読みいただきありがとうございました。



本年も拙さは続くと思いますが、毎日更新していくつもりなので、これからも何卒よろしくお願い申し上げます。



下記は日本経済新聞の今日の社説。



昨年元旦に掲載し、これからの日本、世界の動きを知る上で定点観測の必要性を感じたのでこれからも元旦の社説を転載させていただくことにする。


 

2014年、明るさがほの見えてきたとはいえ、日本は本当に、いま一度光り輝く国になれるのだろうか。どんどん変わっている世界。相変わらずモタモタしている国内。大きな戦略を立てて、ちょっと長い視点で、復活への道筋を整えていく必要があるだろう。
 世界の変化の最たるものは、世の中に影響力を及ぼす地域が米欧からアジアへと移行、その傾向に拍車がかかっていることだ。

理念示し抵抗勢力封じ

 地球規模でものごとが動いていくグローバル化によるものだが、百年単位の長期サイクルで考えると別に驚くに値しない。「アジアへの回帰」そのものだからだ。
 英国の経済史家、アンガス・マディソンの推計によると、アヘン戦争前である1820年の世界の国内総生産(GDP)は、アジアが世界の5割超だった。もし2030年にアジアが世界のGDPの半分を占めても、200年前にもどったにすぎない。
 国際社会の構造変革が進んでいるのである。その中心をなすのは言うまでもなく膨張する中国だ。軍事、経済などのハードパワーの増大を背景に、世界の力の均衡がゆらぎかねないところまで来つつある。米国で内向きのベクトルが働いているとすればなおさらだ。
 ただ、世界に影響を及ぼす力がハードだけではなくなっているのも無視できない。国際社会で信頼を得るには、文化や価値観などのソフトパワーが一段と大事になっているからだ。ハードからソフトへのパワー移行も進んでいる。
 日本として、日米同盟というハードと、日本の文化と価値観というソフトのふたつの力をうまく使い分けるスマートパワーで、中国と向き合っていくしかない。そのためにも、国の力の源泉である強い経済の復活が欠かせない。
 アベノミクスは経済から入って、国力を取り戻すための短期の国家再生プランである。金融緩和、財政出動、成長戦略の3本の矢という政策手段を通じてデフレから脱却し、「日本再興」をめざす方向性はまちがっていない。
 カギをにぎるのは成長戦略である。日本を変える突破口にしなければならないのだが、力不足で思うように進んでいない。それを阻むのが反規制改革・反負担分配・反変革の「3本の釘(くぎ)」である。
 抵抗の釘を抜きながら国の力を伸ばしていくためにも、少しばかり大きめの風呂敷を広げてみせるのがひとつの方法だ。10年から20年後に、どんな国をめざすかの理念や目標をはっきり示せば、そこからはみ出すものも見えてくる。
 参考になるのが、経済人らでつくる日本アカデメイアが進めている長期ビジョンづくりだ。経済力や競争力だけでなく、魅力や尊敬、信頼といった点も含めて「日本力」ととらえ、世界的な視野から日本をデザインし直すという。
 人口減少社会への対応、負担分担社会に向けた仕組みづくり、イノベーション力の強化などもあげているが、長期的な国家戦略が安倍内閣に欠けているのは確かだ。

「進取の勇気」取り戻せ

 それは企業についてもいえる。目先の利益が優先し、短いサイクルで事業を考えがちだが、ちょっと長めの視点で成果をあげていく発想も併せ持つことが大事だ。
 興味深いデータがある。東京海上アセットマネジメント投信の調べによると、日経平均が最高値をつけた1989年末から13年9月までの間で、現在、東証1部に上場している1700社のうち配当を含めて投資収益をもたらした企業は200社弱ある。
 そのうち収益の高いベスト5は(1)ニトリホールディングス(2)久光製薬(3)日本電産(4)ピジョン(5)ユニ・チャームで、以下も創業者の力が強く長期的な意思決定がしやすい会社が多い。いずれも進取の気風に富んでいるのが特徴だ。それは国家にもつながる。
 松方デフレのまっただ中の明治16年、福沢諭吉は自らが創刊した時事新報に「日本人は今の日本に満足せんとするか」と題する社説を掲載した。以前に比べて「進取の勇気」が失われているのを嘆きながら、現代語に意訳すれば次のように書いている。
 「日本人が今の国力に、今の生活に満足し、文明の進行を止めてしまっても後悔しない民族だとは、自分は信じることができない」
 今日に通じる言葉でありたい。