「インバウンド」(消費)という言葉が使われだしたのはいつ頃だろう?
中国からの観光客の恐るべき消費意欲は、誰が名付けたかいつの間にか「爆買い」と呼ばれるようになり、多くの企業や業種の救世主になった。
少子高齢化が人類史上最速で進んでいるこの国日本。失われた20年に薄日が差してきたのは、急速にシュリンクしている国内マーケットから海外に目を転じるとマーケットは無限に広がっていたから(アウトバウンド)。そして、海外の貪欲な消費欲を日本国内に向かわせること(インバウンド)の重要性を肌感覚でわかるようになってきたから。
今年に入ってからの世界株式市場の乱高下は多少影響はあるもののインバウンド消費の流れは変わらない。
2020年の東京オリンピックまでに海外からの観光客を2000万人にしようとスタートしたキャンペーンも昨年でほぼ達成。世界的な日本人気は留まることを知らず、ますます活況を呈するようになっている。
とは言え、そこに胡坐をかいてはいけない。それは衰退の元。
インバウンド消費を更に高めていき、恒常的に世界からお客様を迎え続けられるようにするための処方箋を考えてみよう。
大きく3つ。
★日本のよさを重層的に体感していただく
モノからコトへ(モノを買うだけでなく、体験型のコト、サービス産業へ)
リピーターを増やす(リピーターを増やすためのアイデアと仕組みづくり)
日本らしさのアピール(日本人がよいと思うもの、海外の人がよいと思うもの)
★受け入れ体制の整備
ハード面(ホテル、旅館、民泊、IT、観光地の多言語、多文化対応他)
ソフト面(おもてなし、英語をはじめとした外国語の対応力)
★戦略的インバウンド消費増
モノとコトの相乗効果を狙う
日本国内だけでしか体験できないことを増やす、開発する
IT、ICTのフル活用
アニメや漫画というサブカルチャーだけでなく、食文化や風景、交通機関の運行の正確さや清潔さや親切さ・・・日本や日本人が当たり前だと思って培ってきた文化や習慣が世界から認められ始めた。(JAPAN BRAND)
ガラパゴスとかつて揶揄された日本独自のスタンダード。
ガラパゴスには他の世界では決して見られないユニークな生き物が其処彼処に見つけられる。
そこに行かなければお目にかかることのできないものが。
インバウンド(内側に向かう)消費を高めていくことがこの国を元気にする、
世界を元気にする妙手だと改めて気づいた。