怪我の功名

左手でお箸を使いこなせる。



自慢ではない。



学生時代に友人が怪我をして腕を吊っていた時の話。



昼食をともにする時に自分だけ早く食べ終わるのが嫌で自分も利き手とは逆の手で食べるようにした。



最初はお箸との格闘以外の何物でもなかったけれど、自分でも驚くほどすぐにそれなりには 使えるようになった。



その後も飲み会がある時には時々思い出したかのように左手で箸を握っている。



特に何か得したことは思いつかないけれど、人生で何か得した気分。



怪我の功名とはよく言ったものだ。