歯医者の待ち時間でトムとジェリーがかかっていた。
次にミッキーマウスのことを考えた。
アメリカ人はなぜこうもネズミが好きなのだろう。
イギリスをはじめとするヨーロッパからの移民にとって渡航中のネズミは貴重な食料を食い散らかし、積荷を傷める大敵だと聞いたことがある、にもかかわらずだ。
普通はネコがネズミを獲る。
体が小さく力も弱いネズミに敢えて知性やユーモアを与えて物語の主人公に仕立てあげたのは自分たちとネズミを重ねたからではないか。
イギリスというネコに逆らい、打ち克つために必要なものがまさに具現化されているのがトムとジェリーやミッキーマウスだと気づいた。
だからこそアメリカ人は無意識のうちにネズミが主人公の物語を受け入れ、自分たちもより強大な敵に打ち克つために努力を続けたとも考えられる。
ネコよりも強大になって久しいネズミはこれからどうするのか。
中国というもう一つの大国では「ネズミを獲るネコはどんなネコでも偉い」とも言われている。
これからの世界を占う大きな二匹の動物に注目が集まる。