愚痴と感謝から生まれるもの

今日上司から聞いた話。


先日タクシーに乗るといきなり運転手さんから「ありがとうございます! お客様が初めてです!」と本当に嬉しそうに言われたそう。


それをきっかけに話が弾んだ。


実はこの運転手、前の会社からリストラに遭い、会社に行くふりをして家を出るということを約1年続けたという。その間に別の仕事を探したり、タクシー運転手に成るべく教習所に通ったらしいが、その1年間は、家族を養っていかなければならない身として、筆舌しがたいほど大変だったらしい。


その後、タクシー運転手として再就職をすると運転手仲間は休憩所で会っても、ガソリンスタンドで会っても常に愚痴ばかりこぼしていた。せっかく仕事を得て、働く喜びを感じていただけに「給料が安い」「今日は近距離の客しかいなかった」というような愚痴ばかり聞くことに耐え切れなくなり、いつしか独りでいるようになったという。


それ以来「自分は愚痴を言うのは一切やめよう」と自分で決めた。愚痴からは何も生まれないのだから、と。


逆に心がけるようになったのは「感謝をすること」。


そう決めて、先日あるお客様を降ろし、走り出した途端に歩道で手を挙げていたのが私の上司だった。


お客様を降ろしてすぐに新しいお客様を乗せたことは本当に初めてだったらしい。


あまりに嬉しくて、冒頭のセリフにつながった。


その運転手さんから引き続き出てきた言葉は・・・


「今日は本当についています。ラッキーなんですよね、私。お客様のおかげです。本当にありがとうございます。」


今いる自分の場所に、今ある自分の存在に、今一緒にいる人たちにもっともっと感謝をしたくなった。