一般的に「企業の寿命は30年」と言われる。
それが近年の構造不況やグローバル化、情報革命に伴う社会環境の急速な変化によって、最近では10年を切っているという話もよく耳にする。
そんな中で創業から100年経っている企業がどれだけ生き残っているのだろうか、と気になり調べてみた。
帝国データバンクによると日本には100年以上続いている企業がおよそ2万2000社あるという。
日本には約430万の企業があると言われているからその確率は0.5%。
世界的に見ても日本には「長寿企業」が多いのだそうだ。
その中でも300年の歴史を積み重ねた企業が605社、戦国時代に創業した500年企業は39社ある。
ただただ圧倒される。
そして、最も創業が古い企業は大阪にある寺社仏閣建築の「金剛組」。創業が578年で 聖徳太子が四天王寺建立のため百済の国から招いた工匠が始祖という。
ここまでくるともう何も言えない・・・
正直な感想だ。
「すごい」という言葉さえもおこがましい。
同データより長寿企業上位10社を紹介しよう。
1 金剛組(こんごうぐみ) 木造建築工事 大阪府 578年
2 池坊華道会(いけのぼうかどうかい) 生花教授 京都府 587年
3 西山温泉慶雲舘(にしやまおんせんけいうんかん) 旅館経営 山梨県 705年
4 古まん(こまん) 旅館経営 兵庫県 717年
5 善吾楼(ぜんごろう) 旅館経営 石川県 718年
6 田中伊雅佛具店(たなかいがぶつぐてん) 仏具製造 京都府 885年
7 中村社寺(なかむらしゃじ) 建築工事 愛知県 970年
8 朱宮神仏具店(しゅみやしんぶつぐてん) 仏具小売 山梨県 1024年
9 須藤本家(すどうほんけ) 清酒製造 茨城県 1141年
10 通圓(つうえん) 茶製造販売 京都府 1160年
企業の長寿の秘訣は、と聞かれて単純な答えがあるはずはない。
しかし、時代の流れの中で自分たちのよさや強みを残し、変えるべきことは恐れずに変える。古い伝統やこだわりに囚われずに変わり続けていくことは時代に関係なく必要なことではないだろうか。
現代の企業にも私たち一人ひとりにも当てはまる歴史から学ぶべき教訓だ。