最も長い一週間


東日本大震災が発生して丸一週間が経った。



戦後「最も長い一週間」となった。



にもかかわらず、まだその全貌は見えてこない。死者数は7320名にのぼり、阪神淡路大震災を超え、行方不明者もいまだ1万1000人以上いる状態が続いている。避難者数は38万人におよび、福島原発は放射線漏れの状況が少しずつ悪化し、人々の不安感は増大する一方だ。




避難所生活も物資の補給が滞り、氷点下にもなる厳しい寒さと不安感に被われ体調を崩す人達が増えてきている。




首都圏でも計画停電や大規模停電の影響で電車が止まり、工場が操業停止し、企業活動も制限が余儀なくされている。お米やインスタントラーメン、トイレットペーパーなどの日常品の買い占めが起こり、ガソリンスタンドに長蛇の列ができ、普段の生活にも大きな混乱が生じている。



こんな風にまとめてみても悲惨さはちっとも伝わらない。



まるでどこか遠い国で起こった大昔の災害記事を読んでいるようだ。






目を覚ませ!



我が国、日本で、



今、この瞬間も、



被災地で、



生き残った人々は、



某然とし、生きていることを喜び、悔やみ、亡くした愛する人を想い、泣き、叫び、嗚咽し、悔しさを叩きつけ、虚しさに心を蝕まれ、明日をも知れない身でただただ今を生きている。



まだ行方がわからない父や母を、こどもを、兄弟を持つ人たちの気持ちが想像できるだろうか。



命はとりとめたものの大きな怪我を負い、生きる体力も気力も失いそうになっている人の心がわかるだろうか。



家が、故郷が原発の近くにある人の極限の不安感がわかるだろうか。その風評被害で町がゴーストタウン化し、生活物資の供給が完全にストップした町の住人の恐怖と怒りと無力感が想像できるだろうか。



愛する家族を、家を車を全財産を、生まれ育った町を、何もかも失ってしまった人の気持ちが想像できるだろうか。



結局のところ、



私たちには何もわからないのだ。



しかし、



そこから始めるしか道はない。



その道を歩んでいくしかない。



一歩一歩



確実に地面をしっかりと踏みしめながら進んでいこう。



私たちは決して一人ではない。