地球の癌細胞

地球にとっての癌細胞とは人間なのではと思うことがある。



昨日はアポトーシスが人間という存在にも組み込まれていて、地球という母体を救う理由になっているのではないかと書いただけに上文は正反対の仮説となる。



世界の人口は今月末には70億人を超えると国連が予測している。ついこの間までは50億人と言っていたような気がするだけにここ十数年の爆発的な人口増加は大きな懸念材料と言わざるを得ない。



人間が増え続けることは、食料生産やよりよい生活のための森林伐採、際限のない利用による水源枯渇、海産物の乱獲による絶滅種の増加や生態系の破壊、工業発展に伴うCO2の増加→地球温暖化など、地球にとって負荷が大きくなっていく原因以外の何物でもないからだ。



ただただ増殖していく。



周りの生態系を省みることなく。



まさに地球にとって悪性腫瘍と呼ばれても反論できないのではないか。



子供の頃に読んだ手塚治虫ブラックジャックは怖かった。



それでも幼心に考えさせられることも少なくなかったし、そのうちの一つのエピソードを思い出す。



それはアフリカのとある国で発症し始めている正体不明の病気があり、ブラックジャックが知己の医師に請われて現地入りし、何とかその正体と治療方法を探るという話。人間をはじめとした動物たちが原因不明の理由で縮んでいき、末期には死を迎えるという恐ろしい病気だ。物語の最後に治療方法は見つかるのだが、知己の医師を含めて多くの人間が死んでいった。



その医師が亡くなる直前にブラックジャックにこう語る。



「この病気に正体なんかなかったんだ。
 もし何というのなら、神の警告だ。」



この限られた地球という惑星に全ての生き物が生きていくためには身体を縮めなくてならないという意味があるのかもしれないと。



増え続けていく人口。



ある人は言う。



疾病も災害も戦争も地球という生命の母体を救うための安全弁の役割を果たしている。



もし、その仮説が正しいとすれば、爆発的に増加していく人口はやがて何らかの理由で大幅な削減を余儀なくされる時が来るということになる。



であれば、人間にもアポトーシスが組み込まれているという昨日の仮説は正しいということになる。



その仮説が間違っていることを心から祈っている。