世界を切り取る剣

「世界を切り取る剣」とは、



言葉のこと。



我々は言葉という剣で世界を切り拓いていく。



我々の生きているこの世界は、見事なまでに、一人ひとりの持つ技量分だけを提供してくれる。



大きく広く切り取ると大きく広い世界を体験できる。狭く小さくしか切り取らないと狭く小さな経験しかできない。大きく深く切り取ることのできる人は大きく深い体験ができる。



その世界を「明確に」切り取る方法は言葉を使う他にない。



この世界で起こっていること、今の状態を「感じる」だけであれば言葉はいらない。しかし、それでは「明確に」世界を切り取ることはできず、「明確な」体験、理解をすることは叶わない。



世界は曖昧模糊としている概念や膨大な量の例題に満たされていて、その対応だけで毎日という時間が過ぎていく。



自分の体験できる世界の質と量は自分にかかっているということを意識する機会もなく、歳をとっていく。



今日から9月が始まった。



気のせいか、日差しは少し和らぎ、風が涼しくなったようだ。青空に広がる入道雲も少し遠慮がち。



言葉を磨こうと思う。



自分が使える言葉を磨くことで、切り取れる世界は広がり、より深くまで到達できるはず。輪郭は明瞭になり、美しさも増すであろう。



世界を切り取る剣の達人を目指して。