美しさについての考察

何かを美しいと感じる。



美しさを感じるということはその美しさを反映する心の美しさがある証拠。



男性にとって女性が美しい、女性にとって男性が美しい(表現は異なるかもしれないけれど)と感じるのは多分に本能の成せる技。



その他に最近何に美しさを見出しただろう。



西の空に沈んでいく真っ赤な夕陽、車窓から見える田園風景、道端に咲いている花、虫の声、女性ボーカリストの透き通るような歌声、クラシック音楽、誰が描いたかわからないけど心を打つ絵画、自分を律することのできる強い心・・・



「数学を極めるために必要な資質とは何でしょうか?」



「美しさを感じられる心です」



博士の愛した数式」を書いた小川洋子さんが「国家の品格」でも有名な数学者の藤原正彦氏に尋ねた時の質問と回答である。



数学だけでなく、本当はあらゆるものに美しさが秘められているのではないか。ただ単に我々がそれに気づいていないだけ。



「何となく美しくない・・・」



そうつぶやいて机の並びを正そうとしていたかつての上司のことが思い出される。



机の並び方にさえも美しさを感じられるほどの感性をいつかは自分も身につけられるだろうか。