日本再生重点化措置

一昨日は科学の発展のための予算取りについての問題点とGDPに占める教育費の割合が日本がOECD加盟国最低であること、昨日は予算には哲学がいることを、この国には哲学がないことを憂えた。
http://d.hatena.ne.jp/norio373/20121028



平成24年度の、今年度の国家予算を見てみようと思い立ち、ネットで財務省のトップページを開いてみた。「日本の財政を考える」に目が行く。その中の「予算・決算」(国のお金の使いみち)をクリックするとこんな文章が載せられていた。



「健全な財政の確保によって経済社会を発展させることが必要です。我が国の国・地方を合わせた長期債務残高が平成24年度末にGDP比196%程度となる見込みの中、この先進国中最悪の水準ともいわれる極めて深刻な財政状況を、綿密な調査や財政分析の下、中長期的に好転させていくことが、最重要課題となります。」
http://www.mof.go.jp/budget/index.html



「哲学」とまでは呼べないものの「方針」としては悪くはない。



今年度の予算を探してみると、政府案として去年の年末に閣議決定された「24年度予算のポイント」なるものを発見した。



一般会計予算フレーム
� 「日本再生重点化措置」において、我が国経済社会の真の再生に資するために予算を重点配分 � 「提言型政策仕分け」の提言等を踏まえ、既存予算をの見直し � 公務部門における無駄を徹底して削減 � 23年度補正予算に引き続き、東日本大震災からの復旧・復興に全力で対応 � 市場の信認確保のため、「中期財政フレーム」(歳出の大枠約68.4兆円、新規国債発行額約44兆円)を堅持



90兆円を超える国家予算の概要とがわかりやすくまとめられている。
http://www.mof.go.jp/budget/budger_workflow/budget/fy2012/seifuan24/yosan001.pdf



その中の�「日本再生重点化措置」に興味が湧き、追いかけてみる。



日本再生重点化措置 〜対象となる4分野〜

〜「日本再生重点化措置」の対象となる4分野〜

歳出削減により捻出された財源を用いて、再生に向けてより効果の高い施策に予算を重点配分する取組(「日本再生重点化措置」)を実施。 ○我が国経済社会ふを再生し、国民一人ひとりが希望をもって前に進める社会を実現するため、以下の4分野において、予算を重点的に配分。 ○概算要求組替え基準段階の7000億円規模から、予算編成過程における更なる歳出削減を活用し、1兆円規模に拡大。

鄯) 新たなフロンティア及び新成長戦略 (科学技術・エネルギー・海洋・宇宙等、インフラ整備を含めた成長基盤の強化)

鄱) 教育(スポーツを含む)・雇用などの人材育成

鄴) 地域活性化(新たな沖縄振興政策を含む)

鄽) 安心・安全社会の実現

(例)治安水準の更なる向上のための総合対策の推進(警察庁)、集中豪雨等による災害防止対策(農林水産省等)、水害・土砂災害・津波対策(国土交通省等)、災害への対処能力の向上(防衛省)

(例)沖縄振興予算(内閣府)、鉄道による地域活性化(国土交通省)

(例)新たなスポーツ文化創造プロジェクトによる日本再生(文部科学省

(例)準天頂衛星システムの整備・運用(内閣府)、 新たな成長への取組(パッケージ型インフラ海外展開とグリーン成長の促進)(外務省)、資源権益の獲得(経済産業省)、中小企業の海外展開・技術力の強化(経済産業省)、我が国の環境技術を活用したリサイクル対策等(環境省等) 以上



これだけを読むと東日本大震災の復興という重荷を抱えている上で中長期的な視野で、かつ現実的な方針、予算組みなのではないかという気がした。



もちろん実際には詳細を、現実を見てみなければ何とも言えない部分もあるであろう。それでも一定の評価に値するという思いを持ったことも事実。



崩壊の一途を辿っている民主党とバッシングが続く官僚たちではあるが、我々国民は、自分も含めて、冷静に、そして客観的に、論理的に物事を、現状を把握しなければならないと反省した。マスコミの如くの報道やそこから感じる印象だけで判断してはならないと自分を戒める機会となった。



クリティカルシンキング(批判的思考)が必要だと改めて感じた次第である。



そして、



もしかするとそれこそが日本再生のために必要な重点化部分かもしれない、と改めて感じることになった。