万全の体制という幻想

 
 
ソチオリンピックが終わって2週間が経とうとしている。
 
 
選手達は一世一代の晴れの舞台で最高のパフォーマンスができるよう徹底的に準備をし、調整を行い、万全の体制を整える。
 
 
普通の人はそう考える。
 
 
それはある意味当然のことだけれど、それこそ素人には想像もつかない凄まじいまでのプレッシャーと戦いながら超繊細な調整に全力をかける。
 
 
しかし、どれほど努力をしても「万全の体制」とはならないことに改めて気づかされた。
 
 
オリンピック選手だけでなくトップアスリートと呼ばれる人たちはその場所に辿り着くために文字通り身を削るほどの努力をし、ほぼ例外なく身体の何処かに故障を抱えている。そもそもトップアスリートに「万全の体制」というものは存在しないのだ。
 
 
と言っても、悲観することはない。

 

 

誰もが同じような条件で戦っており、むしろ「故障」を「勲章」と思って前向きに戦うことで勝利に繋がることもあるに違いない。

 
 
翻って、自分の日常生活や仕事の環境、置かれた状況を見回すと、恥ずかしながら「万全の体制」は取れておらず、しかもできないことを嘆いたり、満足のいくパフォーマンスが出来なかった言い訳にしている自分がいた。
 
 
「万全の体制」を目指すことは大切だけれど、
 
 
たとえ完璧な体制が取れずとも、
 
 
痛い痒いを口にせず、
 
 
ただひたすらその瞬間にできる最高のパフォーマンスをすることに集中したい・・・
 
 
心の底から
 
 
そう思った。