ひけらかさない

 ひけらかさない

 
 隠れた才能と言うべきか、能ある鷹は爪を隠すと言うべきか、
 
 
ある知り合いがイタリア料理の達人だと判明した。
 
 
彼女はシングルマザーながら仕事をバリバリこなすパワフルウーマン。ゴルフは飛ばし屋でほぼシングルプレーヤー。
 
 
できる人は何でもできる! と改めて思った瞬間であり、冒頭の印象を持つことになったきっかけ。
 
 
この時代、ネット社会の宿命なのか、アメリカから持ち込まれた文化や習慣のせいなのか、自分のことをアピールするのが当たり前になりつつある。それが流行りなのか、恒常的なものなのかはわからないけれど、自分の考えや能力を奥底に秘め、いざという時になって初めて発揮する、簡単にはひけらかさない、そんな奥ゆかしさはどこか遠くに押し流されてしまった気がしてならない。
 
 
自分のことを客観的に紹介するだけならまだしもそこには下心が隠されていることも少なくない。
 
 
自分の知識やスキルは言うに及ばず、おもいやりややさしさまでひけらかす人がいる。
 
 
それが「欲しがる人」であり、「押しつける人」でもある。(欲しがらない押しつけない
 
 
そう簡単には自分のことをひけらかさない人間に、
 
 
私はなりたい。