ドアを開けた。
そこには眩しいばかりの世界が広がると期待していたのに実際に広がったのは真っ暗な闇だった。
意識が感情をコントロール下に置くのは簡単ではない。
これまでずっと他人を描くことに躊躇いは消えず、物語を描くことは一生ないのではないかと何となく思い始めていた。
それがふとしたきっかけで全てが変わり始めた。
自分がしたいこと、自分の冒険、自分が異なる世界で体験したいこと、それを書くことは無限の可能性を一つずつ実現させていくこと、と気づいたから。
たとえそれが架空の世界のことであっても。
それは光溢れる世界ではなく、むしろ真っ暗な闇に覆われた暗黒の世界(かもしれない)。
それでも悲観することはない。
暗闇の中では誰が何をしようとも気づかれる心配はないのだから。
ある意味、完全なる自由を手に入れられる理想の世界なのだから。
新しい世界で想像だにしない新しい自分や全く異なる価値観を探し出したい。