そのまえ

 
先日このブログで
 
 
 
 
という谷川俊太郎の詩を紹介した。
 
 
中国のバブル経済が破綻をきたし、ヨーロッパは難民流入とテロ問題に揺れ、中東はISと原油安の激震に喘ぎ、北朝鮮は核実験を繰り返し、アメリカもまた超格差社会の矛盾に苦しめられている。
 
 
株価は世界中で乱高下を繰り返し、持てる者と持たざる者の格差は悪化を辿り、領土領海問題は激しさを増し、民族紛争も宗教対立もより過激になる一方だ。
 
 
まるで乱気流に巻き込まれた飛行機のよう。
 
 
世界は激動の時代に入っている。
 
 
そのまえ
 
そのまえがある
大切なひとを失ってしまうxまえ
もうあとはないと思うまえ
全て終わったと知るまえにも
終わりのまえがある
 
そのまえは一筋に
霧の中へ消えている
そのまえは限りなく
白くひろがっている
そのまえがある
世界に そして
ひとりひとりの心に
 
 
今は「戦前」なのだという人がいる。
 
 
決してそうしてはいけない。
 
 
それを許してはならない。
 
 
「そのまえ」
 
 
にならぬように
 
 
人類の叡智が問われている。