恋愛敗北論から

 
遥か昔のこと。
 
 
高校時代の友人が「恋愛敗北論」を唱えていたのを思い出した。
 
 
イケメンの彼が言うには、誰かを好きになるのは負けること。
 
 
相手の魅力に負けるから好きになる。
 
 
だから自分から告白するのではなく、相手から告白されなければ気が済まない。
 
 
そんな若者の主張だった。
 
 
当時も納得はしなかったし、バカらしい考えとしか思わなかったけど、他人は他人と思って笑って流していた。
 
 
そんな話を思い出したのは、普段のコミュニケーションにおいて勝ち負けをつけたがる人に出会ったから。
 
 
その人によると、全ての人間には上下があり、ちょっとしたコミュニケーションを取るだけで勝ち負け、上下関係がわかるという。特に男性間では当たり前なのだとか。
 
 
何が基準で何の意味があって何がどうなっているのか、よくわからないけれど、一つひとつのコミュニケーション、一つひとつの出会いで勝ち負けをつける考えはユニークながら恋愛敗北論と同じようにバカらしいと感じた。
 
 
それでも自分の中のゲームの一つとして愉しむのは、「あり」かも、とも思った。
 
 
まあ、何にしろ実験、体験してみなければ何もわからない。
 
 
しばらくは勝ち負けを意識して生活をしてみようか。
 
 
追伸
高校時代のその友人に久方振りに会うと2回結婚して2回とも破局したのだとか。今は離婚して独り身なのだと言う。身を以て恋愛敗北論を実践した勇気(?)には敬意を表したい。