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電車の中の1シーン×3

 

帰宅途中の電車の中で奇妙な体験を立て続けにした。

 

仙台にいるはずの仕事の知り合いに大阪で偶然出会った。

 

と思ったら、そっくりさんだった。

 

あまりにも似ていて違うとわかった後もしばらく目が離せないほどで何かの縁を感じた。(ちょうどその人の話を別の人から聞いていた矢先だっただけに単なる思い込みだったのかもしれないけれど)

 

しばらく経って電車の補助席に座っていると、目の前に立っていたおじさんが「ピンクの人」だった。ピンクのTシャツに少しシックで濃いピンクの綿パンを身につけ、バッグはなぜかイカリのロゴが沢山入ったピンクのトートバック。手にはピンクのカバーがつけられたスマホとピンクの充電器。帽子もおしゃれなピンク色だ。ドアの鏡に映ったTシャツの柄はキティちゃん!それでも危ない人とはなぜか感じられない凛とした雰囲気が漂っている。どこかのデザイナーか何かなのだろうか???

 

 普通電車に乗り換えると随分空いていた。

 

車両の後ろの方が何やら騒がしい。観察してみると、「何か」が居る。次の瞬間、それがこちらに向かって飛んできた!

 

マンバチだ!

 

それまでシートの一箇所に止まっていたハチが車両の中を縦横無尽に飛び回り始める。何人かの女性が小さな悲鳴を上げて車両の隅に身を寄せる。

 

中学生くらいの男の子が何かをしようと試みるもブンブン飛び回る元気のいい凶暴なハチになすすべもない。

 

途中何度か駅に停まり、ドアも何度も開閉していたのでいずれ出て行くだろうとたかを括っているとそうは問屋が卸さない。

 

しばらくすると、騒ぎに気付いた車掌さんがやってきて、どうするのかな? と思って見ていると、いきなり両手でふわっと包み込むようにクマンバチを両手に収め、平然とした顔で車掌室までスタスタ歩いて戻り、窓を開けて逃がしてやった。

 

その瞬間、車両内は拍手の嵐!

 

車掌さんは白い手袋をはめていたけれど、その勇気と真っ直ぐな行動にちょっとした感動すら覚えた。

 

日常の中にも物語は沢山隠れている。