一瞬を切り取る -おにぎりを食べる-

 

一瞬を切り取る

 

これを2017年の月一企画にしてみようと思う。

 

情報化社会が進むにつれ日々のスピードが加速度的に速くなっている。一つひとつの作業にスピードが求められ、マルチタスクが当たり前になる。

 

もともとブログのテーマは数日間から数週間、場合によっては数ヶ月から数年感じていたことを取り上げ、深掘りして言葉にすることが多い。

 

それを日々の当たり前の行動の瞬間を切り取って拡大し、検分してみる。

 

全速力で走っている一コマを切り取って、客観的に観察してみる。

 

記念すべき最初の「一瞬」は、「おにぎりを食べる」にしよう。

 

コンビニで買うおにぎりを食べる時は普通あまり注意を払うことなく、何かをしながら、読みながら、お茶を片手にほおばることが多い。深く考えることなく、とりあえずお腹を満たすくらいにしか思ってない。

 

その一瞬を切り取って、ズームアップする。

 

いつもより少し高めのおにぎりを買う。

 

おもむろにプラスティックの覆いを取り、目を瞑ってのりの香りをかいでみる。

 

次に一口おにぎりに食らいつく。

 

口の中にほぐれたお米が広がる。一粒一粒を味わうつもりで噛み締める。その甘みと香りと質感を感じながら。

 

おにぎりの具も同じだ。

 

今日は奮発していくらがたっぷり入っているものを選んだ。ぷちぷちっとはじける一粒一粒を愛おしく感じながら味わっていく。時に目を瞑り、遠い北海道の先に広がる海を想像しながら。

 

次のステージは感覚と頭の融合を図る作業。

 

こののりはオホーツク海から来ているのか、太平洋側からきているのか?

このお米はこしひかり? ゆめぴりか? 原産地は?

いくらは国産? 北海道の北側? 北東? 太平洋側から?

 

包みに書かれていることではなく、自分の鼻と舌を頼りに推理する。

 

思いを巡らせることで感覚が更に研ぎ澄まされ、普段あまり意識しない深い味が引き出されていく。

 

お米、のり、具材という有機物の存在感や背景にあるもの、生産者の想い、農家の、自然の、工場生産の熱い想いさえもが感じられる。

 

感謝の気持ちが自然に溢れ出てくる・・・

 

そんな具合に日々意識をすることなく流れ去っていく行動の一瞬を切り取って確認してみる。

 

我々の世界が奇跡という構成物でできていることに気づけるように。