幸せ病

 

NHK朝の連続テレビ小説「半分 青い」の主人公鈴愛(すずめ)の母親 晴さんが癌を患ってしまった。

 

主治医から5年生存率が50%と言われて、心配した鈴愛が帰省する。自宅療養している病床で2人が話し出す。

 

・・・(生存率の)確率はどうでもええな。今生きとるってだけで、幸せな気分や。お母ちゃんな。最近幸せで幸せでしょうがないんや。朝が来るだけで嬉しい。楽しい。幸せや。うーちゃんのいびきもなんや幸せの印の気持ちになるんや。なんや知らんがどんなときもキラキラして思える。お母ちゃん、今、幸せ病や。

 

幸せ病か。何や、それ、ええな。

 

主人公の鈴愛が9歳の時に病気で左耳が聞こえなくなったシーンが回想される。

 

あんた9歳の時、片耳聞こえなくなった時、雨の日の遠足の朝に言いよらした。黄色い傘さして言いよらした。

 

あ、お母ちゃん、面白い! 半分だけ雨降っとる。右だけ雨降っとる。

 

そっか、左  聞こえんもんね。すずめの左がわはいつだって晴れやで。

 

半分、青い。

 

 

晴さんが懐かしそうに思い出を浮かべながら続ける。

 

何や素敵やなあ。あんたが教えてくれたことや。

 

ほりゃあお母ちゃん、ガンやってよかったってとても思えん。健康の方がええに決まっとる。当たり前や。

 

ほやけど、今まで見えんかった景色が見えてくる。

 

半分、青い。 って言ったあんたみたいに。これが私の人生や。ほう思うと、どんなたいへんなことがあっても 愛しいな。

 

気がついていないだけで、我々は皆、「幸せ病」という不治の病に罹っている。

 

ガンはもう不治の病ではない。