カルロス・ゴーン氏が逮捕された。
自動車業界に、産業界全体に、国内に、いや、世界中に激震が走った。
容疑は自身の報酬を有価証券報告書に虚偽申告したことそれ以外にも会社費用の個人使用他だという。
詳細はこれから究明されるのだろうけれど、ルノー、日産、三菱自動車連合という世界第2位の生産数を誇るコングロマリットトップの逮捕は世界中の耳目を集めた。
ゴーン氏本人による権力乱用は否定できない状況のようだけれど、会社のガバナンスがどうして機能しなかったのか、今に始まったわけではない権力行使が社外取締役や外部の監査法人の目をくぐり抜けて見過ごされてきたのは何故なのか。
会社側の、上層部によるクーデターの可能性もあるように思えてならない。
そんなことを考えていると、ルノーのCEOに再任されたことが引き金になったのではないかという解説を聞いて腑に落ちた。
というのも、ルノー・日産・三菱の経営統合を求めるフランス政府とゴーン氏が何らかの合意に至り、三社合併となった場合、ルノー/フランス主導の改革が行われ、日産が思うような経営ができなくなるのではないか(電気自動車へのシフトを加速させることで系列部品会社への影響も大)という懸念が、6月から施行された司法取引とあい絡まって今回の内部通報に繋がったのではないかという読みである。
結局のところ権力闘争であり、生き残りをかけた経済戦争の一部、人間模様の一つと言っていいのかもしれない。
それが日本の特殊性を更に強調し、世界基準から離れ、ガラパゴス化を促進することにならなければならいといいと感じながら。