友人に小学校六年生になる娘がいる。
親の教育がよいのか、遊び心が多過ぎるのか、今もサンタクロースの存在を信じている。
ある日のこと。
クラスメイトの山本君が誰からかサンタクロースの正体はお父さんなんだと聞かされ、ショックを受ける。
山本君は真実を突き止めるべく、クリスマスイヴの夜、寝たふりをしてずっとサンタクロースの訪問を待った。しかし、そこで見たのはお父さんがクリスマスプレゼントを置いていく姿だった。
ショックを受けた山本君は自分同様にサンタクロースの存在を信じている(筆者の)友人の娘に一部始終を話してしまう。その話を聞いた娘はついに自分のお父さんにそぉっと尋ねた。
「お父さん、サンタクロースって、本当は山本君のお父さんだったって、知ってた?」