「No.2ではいけないんですか?」
もう今ではお笑いのネタにしかならない民主党の事業仕分けの時に蓮舫議員が口にした有名な台詞。
「科学への期待と責任」と題し、昨日のブログでイタリア中部地震を予期できなかった科学者が禁固刑を受けたニュースを紹介し、日本国内での科学の位置付けを考える時が来たのではないかと問題提起をした。
その時に思い出した言葉がこれ。
そして、その矛先であったスーパーコンピュータ「京」と科学について。
「何が何でもNo.1にならなければならない!」
「なぜならWinner takes all.だから」
「なぜならNo.2は誰も覚えていないから」
No.1に執着する気持ちはわからなくはない。
しかし、諸行無常は世の常であり、世界一を誇った「京」もあっという間にその座をアメリカ製スーパーコンピュータに譲ってしまった。
それでも医療や産業界から「京」を活用する動きはむしろ加速している。
大事なことはNo.1とかNo.2という順位ではなく、トップを目指して努力すること、そのためのサポートをすること。
地震学や原子力発電、スーパーコンピュータに代表される最新科学を発展させるためには膨大な時間と予算がかかる。
国が科学をサポートするという方針を打ち出すのならば、予算を組むことも当然含められなければならない。
その予算は最新科学を発展させるためのものであることはもちろんのこと、その基礎になる全ての学問についても同様でなければならない。
にも拘らず、
GDPに占める公的教育費の割合はOECD加盟国の中で日本が一番低いのだ。
No.1やNo.2どころか、トップを目指そうとする努力や気概さえ失いつつある証拠なのではないだろうか。