自己表現の巧拙

IKEAというスウェーデンの家具屋さんに来ている。


売り場の広さや品揃えの豊富さ、価格競争力の高さというような月並みなことはさて置き、欧米文化の特徴の一つと言ってよい自己表現の重要性について改めて考えさせられた。



一般論ではあるが日本人はとかく自己表現が苦手だ。そして、日本人が作った企業も同じく自己表現が得意ではない。



改めてIKEAでそう感じた。



きっかけはこれら。








国際的な競争力を持つことは当然大事だし、そのための工夫や血の滲むような努力は当たり前のこと。



IKEAではそういった部分を非常にうまく消費者にアピールしていると感じた。例えば、店員が少ないことや自分で製品を組み立てなければならないというような一歩間違えるとネガティブに捉えられがちなこともプラスに持っていく努力を怠らない。



一つの大きな方法は「理由を説明する」こと。なぜそうなのかというバックグラウンドをきちんと消費者に伝えることで不必要な誤解や批判を発生させないようにしている。



もう一つの方法は、「企業の哲学」、言い換えると「企業理念」や「企業の存在理由」を明文化し、それを消費者に伝える努力をし続けること。消費者の共感を得るためと言えば一面的な見方になってしまうかもしれないが、結果として消費者からのロイヤルティ獲得に繋がることになるし、そのための王道と言っていいやり方であろう。



多民族多文化が基本である世界マーケットに於いて自分が何者なのか、存在価値は何なのかを絶えず自問自答し、アピールしていくことはタフな生存競争の中で生き残っていくための絶対条件であると言っていい。



ほぼ単一民族国家として長年歩んできた日本。沈黙を美とする日本人も世界マーケットという異なるルールのゲームに参加する時には否が応でも「郷に入っては郷に従え」だ。そして、自己表現をするために自分達の存在理由を考え続けることは決してマイナスにはならないはず。




気分新たに自分自身や自分の企業の存在理由を考え直してみたい。