普通の日

お正月をお正月たらしめているものは何なのだろう?



初詣? しめ縄? おせち料理? 正月番組?



「お正月には凧上げて、コマを回して遊びましょう・・・」



時代は確実に移り、童謡は完全に童謡の世界だけの話になってしまった。



一昔前は正月三が日にはお店というお店はどこも閉まっていた。初詣以外はどこに行くこともなく、お雑煮とおせち料理を繰り返し食べ、正月番組を見て、家族ですごろくやトランプをして時間を過ごした。それが結果として家族の時間を増やし、絆を強めることになった。



今の時代、元日から多くのお店が開いている。



初売りを成功させるために企業は様々な企画を仕掛け、工夫を凝らし、売上増のためにあらゆる手段を講ずる。



その結果、人々は街に誘い出され、消費に興じる。



一度回り出した歯車は元に戻すことはできない。去年よりも今年、今年よりも来年・・・売上を伸ばすために従業員の元日勤務も当たり前のことになる。



元日も「普通の日」と何ら変わりがない。



便利さと消費の楽しさ、そして企業の売上増と引き換えに我々が失っているものはあまりにも大き過ぎるのではないか。



2011年の元日にショッピングモールに溢れる人々を見て、ふと疑問に感じた。



自分もその一役を担っていることを棚上げして。