私と小鳥と鈴と
わたしが両手をひろげても、
お空はちっともとべないが、
とべる小鳥はわたしのように、
地面(じべた)をはやくは走れない。
わたしがからだをゆすっても、
きれいな音はでないけど、
あの鳴るすずはわたしのように
たくさんのうたは知らないよ。
すずと、小鳥と、それからわたし、
みんなちがって、みんないい。
明治36年に現在の山口県長門市に生まれ、大正末期にすぐれた作品を発表し「若き童謡詩人の巨星」と賞賛されたが、昭和5年に26歳の若さで他界した金子みすずの詩だ。
NHK教育番組の「にほんごであそぼ」で出合った。
人は他人と比べ始める時から不幸になる
とはよく言われるけれど、他人との比較に満足感を求めるのではなく自分らしさを見つけ、愛おしむことに幸福になるための鍵があるはず。
私の自分らしさとは何だろう?
日本という国の自分らしさとは何だろう?