自動操縦装置


人間にはどうやら自動操縦装置が備わっているようだ。



何も考えなくてもただ流されるままに、状況に応じて生きることができる。本能の命ずるまま、気分次第で毎日をやり過ごすことができる。



他方で、自動操縦装置をOFFにし、常に自分の頭で考え、迷い、決断し、軌道修正を繰り返して生きている人もいる。



どちらが「楽」かというと前者に違いない。



どちらが「楽しい」かというと後者だと言いたい。



自分という乗り物に乗ってどこに行くのか、どんな道を辿るのか、は自分で決めなければならない。自動操縦ではあまりにも寂し過ぎる。安全安心なパックツアーより一人でバックパックを担いで、迷いながら、トラブルに遭遇しながら、自分の決めた目的地に向かって進んで行く旅行の方がずっと楽しいのと同じこと。



そう考えると、日常生活の中で我々が抱えている問題は人生という旅を楽しませてくれるために無くてはならないものということになる。



苦しくなると楽をしようと自動操縦に切り替えたくなるけれど、楽しく意味のある人生にするためにもここがぐっと我慢のしどころだ。



さあ、みんなで自動操縦装置のスイッチをOFFにしようではないか。