正反対の国 日本とアメリカ


しばらくアメリカに住んだ後、日本に帰って来た時にこんな事を強く感じた。



アメリカ人は人生を楽しむべきものとして考える。日本人は人生を修行と捉える。



事の良し悪しではなく、同じ人間として幸福の形はさほど変わらないのにアプローチ方法は全く正反対。



学術的な研究、調査結果というわけではないけれど日々の生活のあちらこちらで気づかされたことを思い出す。



例えば、



ドアの開け閉め。アメリカでは押して開けるし、日本人では引いて開けることが多い。



水道の蛇口の開け閉めも正反対。



道路の左側、右側通行も同様だ。



言葉や考え方も反対側の立場で捉えることが多い。



主語を重要視する英語と意識すらしない日本語。述語を直ぐに持ってくる英語と最後の最後まで結論を言わない日本語。



物事の理由を重要視する英語(why, because)と曖昧さの海を泳ぐ日本語。YesとNoの使い方も同様だ。



個人主義のアメリカと和をもって尊しとする日本。



これらの全ては主観的なものだし、必ずしも正反対とは言えないものもあるけれど、大切なことは、違いがあることを認識し、その上でコミュニケーションを進めること。



正反対だからこそ互いに補い合えることがあり、両方がうまく組み合わせられることではじめてわかる絵もあるはず。



今年で戦後66年目に入る二国間関係は長年連れ添った老夫婦のよう。



世界で最も重要な二国間関係



と、かつての栄光を懐かしむだけではなく、成熟した大人の、そして、正反対の両国で世界中のまだ誰も見たことのない大きな絵を描いてもらいたいものだ。