落し物の王様


自慢ではないが私は落し物の王様だ。



今までに落とした物、置き忘れた物は数知れない。



定期券は三回失くしている。



スーツのジャケットは電車の網棚に二回置き忘れた。



デジカメは二回。うち一回は海外で。



携帯電話も二回、電車の座席に置き去りにした。



ノートパソコンは・・・公共の場には一回しか忘れていない。



みんなに呆れられる。



けれど、不思議なことにほとんど見つかっている。(ジャケット一着とデジカメ一台を除いて。海外で失くしたデジカメが見つかった時は本当に嬉しかった!)



日頃の行いがよいからに違いない。(え? 行いがちゃんとしていれば落し物自体しないって?)



他方で、落し物をよく拾う方でもある。



先週から今週にかけて6ヶ月丸々残った定期券入りの定期入れを道端で拾ったし、現金も百円玉を二回、10円玉を一回異なる場所で見つけた。



ずっと下を向いて歩いている訳ではないのだが、そういう巡り合わせのよう。



もちろん拾ったものは届け出るし、現金の場合は募金箱を見つけて入れるようにしている。慈善活動というよりは、お金は循環させるべきもの、がその理由。よく言われるように「お金は天下の回り物」だし、自分で釣った魚ならいざ知らず、たまたま手に入れたものは川に返してやるのが一番なのだ。



ふと、思った。



もしかすると私が落し物をよく拾うのは私自身がよく落し物をするからではないか。私の落し物がよく返って来るのは私が届け出るから? すると、私が届け出をしなくなると私が落し物をしなくなるのだろうか? 否、私の落し物が見つからなくなるだけだろうな。



What goes around comes around.



まさに因果応報ということ。