職業体験の功罪


仕事について具体的に考え始めたのは大学3年も終わる頃。就職活動をし始めてからだった。



それまではなりたい職業はあったけれど「子供の頃の夢」の域を出ることはなかった。



今、キッザニアに来ている。



実際の企業がスポンサーになるだけではなく、人も設備も提供する子供のための職業体験テーマパークだ。



例えばこんな職業、企業がある。



パイロット・キャビンアテンダント(全日空)、新聞社(朝日新聞)、銀行(三井住友銀行)、携帯電話ショップ(ドコモ)、ガソリンスタンド(出光)、フォトスタジオ(ソニー)、デパート(高島屋)、証券会社(大和証券)、カーライフサポートセンター(オートバックス)、お菓子工場(森永製菓)、ボトリング工場(コカコーラ)、おもちゃ会社(タカラトミー)、病院・救命センター(日本生命)、消防署(三井住友海上)、他多数。



子供達は真剣な表情で思い思いの仕事に取り組んでいる。普段街で見かけて面白そうだと感じたことを気軽に体験できるというのは羨ましい限りだ。しかもキッゾというキッザニア内で使える貨幣で給料までもらえるのだ。それを三井住友銀行で口座を作りATMで預金したり、引き出したりまでできるという徹底ぶり。仕事という大人の世界を小さい頃から体験し、働き、報酬を得るという経験をすることは悪いことではない。



他方でいくら多いと言っても限られた種類の職業しか経験できないことで自分の将来を狭い世界に閉じ込めて欲しくないという思いは残る。まあ、一日や二日のテーマパークでの体験で人生を決めるようなことはないのだろうけれど。



子供ながら真剣に仕事に取り組み、ささやかながら何かを成し遂げることは嬉しいもののよう。私たち大人も自分の仕事にもう一度新鮮な気持ちで取り組めばまた新しい世界が広がるかもしれない。