数字の裏側にあるもの


大震災に見舞われて丸2週間が経った。



警察庁によると24日午後11時現在で死者は9811人、行方不明者は17541人、合わせて27352人となった。



16年前の阪神淡路大震災の時のNHKのアナウンサーの姿が今でも目に焼きついている。



生放送中、画面中央に立ち、死者数と行方不明者数を伝えるべく話し始めた。



「私たちが伝える数字は日増しに大きくなってきています。しかし、その数字は単なる数字ではなく、一人ひとりにそれぞれの人生があり、家族があるわけで・・・」



その瞬間、



感極まり、



顔を伏せ、



肩を震わし、



涙を零した。



そして、



嗚咽を始めた。



一瞬という長いしばらくが経ち、



謝辞の言葉があり、



再び語り始めた。



こんな姿をそれまでテレビで目にすることはなかった。



それだけに「数字の裏側にあるもの」の重さを改めて感じさせられた。



真のマスメディアの仕事だった。



故に今でも強烈に覚えている。



今回の大震災の被害はとてつもなく大きい。



その大きさは無常にもあらゆる数字に置き換えられていくけれど、



「数字の裏側にあるもの」を常に意識し、理解し、行動に移すことのできる人間でありたい。



今なお、約24万5400人が避難所生活を送っている。