ベクレルとシーベルト


昨日からの続き



ベクレルシーベルト



グリム童話のタイトルではない。



東日本大震災で被災した福島原発の放射能漏洩事故で誰もが耳にした放射線に関する単位だ。



テレビで専門家による解説を聞いても今ひとつピンとこないという人も多いのではないか。



簡単におさらいをしよう。



放射線というのは放射能物質から放出されるエネルギーのこと。ベクレルとは放射能を出す力のことを指す。つまり「放射能の強さを表す単位」のことだ。



シーベルトとは「人が受けた放射線影響の度合いを表す単位」のこと。



単純だけれど一番わかりやすい説明なのではないか。



放射線の強さであるベクレルより我々一般人にも影響を及ぼす尺度としてのシーベルトについては最低限の知識は持っておくべきだと感じた。





端的には「年間100ミリシーベルト」で人体への影響が見られ(但し、200ミリシーベル以下であれば急性の臨床的症状(急性放射線症)は認められない)、一度に500ミリシーベルトの放射能を浴びるとリンパ球の減少が始まるという。



4月上旬に首都圏の水道水にも放射線汚染が拡がっているというニュースが流れたが、4/9現在での放射線量はわずか0.0085マイクロシーベルトという数値だ。ミリシーベルトに換算すると0.0000085ミリシーベルト(1マイクロシーベルトは1000分の1ミリシーベルト)で、大騒ぎをする必要のないレベルだとわかる。



我々が気をつけなければならないのは「漠然とした不安」なのだ。



人間は理解できないものに対して本能的に恐怖心を感じる。



放射能は見ることができないし、ベクレルシーベルトも説明によってはなかなか理解しにくいもの。



漠然とした不安を数字やチャートという形で「見える化」し、理解を深めることが「見えない恐怖を分解する」ことであり、



我々が冷静に判断をし、対処していくことが何より大切なことだと改めて感じた。



そして、



一人ひとりの努力の積み重ねが、私たちの「尊厳をかけた戦い」を勝利に導いていく唯一の方法であると信じている。



http://d.hatena.ne.jp/norio373/20110408