ネット社会の洗礼

衝撃が走った。



今日の午後一番、職場にクレジットカード会社のセキュリティセンターから電話があり、私のクレジットカードが不正使用された疑いがあると告げられた。



担当者の声が震えているのが、電話越しにも伝わってくる。



その説明を聞きながら想像力がじわりじわりと広がっていく。



無意識のうちに財布を取り出し、該当するクレジットカードを目の前に置く。担当者の一言一言に全神経を集中させる。



「6月24日午前2時59分頃 ZOZOTOWNで99, 980円分のお買い物をされたという覚えはございませんか?」



え、それだけ?



桁違いの被害額が頭に浮かんでいたが、声に出したのは短い「いいえ」のみ。



その答えを待っていたかのように担当者が続ける。「おなじく6月24日午前3時59分頃 セシールで49, 800円のお買い物をされませんでしたでしょうか?」



少なっ!



と心の中で浮かんだ言葉も現実には発せられず、担当者がほとんど言い終わらないうちにかぶさるように答えた。「いいえ、していません」



担当者が説明した不正使用と思われる案件はその二件だけだった。「念のためにお伺いしますが、お客様のご利用だと思われる最後のカード使用は6月20日の○○ゴルフ場の5800円でよろしかったでしょうか?」



「いいえ」という冗談もこの場にはふさわしくないので心の中にしまっておく。「はい、それは間違いありません」短く答えた。



その後は予想のつく展開だった。被害届を送り返してください、キャッシュカード付きのカードだったのでその引き出しも一時的に止めておきます、カード番号が変わるのでカード引き落としにされていたところにはご面倒をおかけしますがご連絡をお願いします、カードの再発行はご足労をおかけしますが、銀行の窓口でお願いします、などなどがしばらく続いた。



結論としては、諸手続きをしなければならないという面倒臭さはあるものの実質の被害はなかったことになる。



それでも、ネット社会の洗礼を受けたことに違いはない。



カード番号が漏れたことについても、YahooやiTunesの情報更新を装ったサイトが話題になったものの心当たりはなく、結局わからずじまいだった。



気をつける、しかないのだろうか。



電話を切り終わってから、聞いておきたかった質問を思い出した。



そもそもクレジットカード会社はどうしてその2件が不正使用とわかったのだろうか?



それを考えると夜も眠れない・・・