アイデアのつくり方

会社の上司の勧めで「アイデアのつくり方」という本を借りて読んだ。



アイデアのつくり方

アイデアのつくり方



この本が日本で出版されたのは1988年。つまり、23年も前のこと。



いや、最初に書かれたのは1960年代初頭。50年以上も前の話になる。



にもかかわらず、「アイデアのつくり方」自体は全く色あせていないことに驚嘆した。



基本となる考え方は5つのステップを踏む。



1.資料(データ)集め
2.データの咀嚼
3.アイデアの孵化段階(データの組み合わせ)
4.アイデアの実際の誕生(ユーリカ!)
5.アイデアのチェック(現実の有用性に合致させるために具体化し、発展させる段階)



作者ジェームス・W・ヤングはアメリカ最大の広告代理店で広告制作に敏腕を振い、のちに同社副社長を務めたという伝説の広告マンだ。



インターネットなどない時代の「アイデアのつくり方」が今も十分通用するというのは驚きであると同時に人間自体は変わっていないことの証拠でもある。



それでも作者が惜しみなくその「アイデアの作り方」を披露するのには訳があるという。



19ページから引用させてもらおう。



「第1は、この公式は、説明すればごく簡単なので、これを聞いたところで実際に信用する人はまず僅かしかいないということ。第二は、説明は簡単至極だが実際にこれを実行するとなると最も困難な種類の知能労働が必要なので、この公式を手に入れたと言っても、誰もがこれを使いこなすというわけにはいかないということである。だからこの公式は、大いに吹聴したからといって私が暮らしを立てている市場にアイデアマンの供給過多が起こるというような実際上の心配はまずない」



なんという自信だろうか。



気持ちがよいほど。



そんな風に言われると挑戦したくなるのが人情ではないか。



笑顔で挑発に乗ってみる。