日本語が亡びるとき

一昨日と昨日は擬態語についてブログを書き、日本語の豊かさの一面について考察してみた。



「くたくた」 http://d.hatena.ne.jp/norio373/20110816
オノマトペhttp://d.hatena.ne.jp/norio373/20110817



ブログの中で後世に残すべきと書いた豊かな日本語が「英語の世紀の中で」亡びる可能性があるという刺激的な本がある。



日本語が亡びるとき―英語の世紀の中で

日本語が亡びるとき―英語の世紀の中で



この「小林秀雄賞」受賞の評論本は2008年11月に筑摩書房から発行され、WEB進化論で有名な梅田望夫氏の著書で紹介されていたことをきっかけに手にとってみた。



一言、自分の言葉で評するならば、



「何度でも読み返したくなるこの人にしか書けない示唆に富んだ秀作」



となる。



また、単行本の帯に書かれてある謳い文句がこれまた絶妙なので転載させていただく。



「西洋の衝撃」を全身に浴び、豊かな近代文学を生み出した日本語が、
いま「英語の世紀」の中で「亡びる」とはどういうことか?
日本語と英語をめぐる認識を深く揺り動かし、遥かな時空の眺望の
もとに鍛え直そうとする書き下ろし問題作が出現した!



興味を持って頂ける方のために、詳細は伏せさせていただくが、著者の身上と日本語と英語、そしてフランス語を駆使する多言語習得者としての視点が考察を幅広く、かつ奥深いものにしている。



そして、「英語の世紀の中で」という副題が絶妙な役割を果たしているのだ。



個人的に著者の思考方法、文脈の流れ、言葉の厚み、そして、何より膨大な日本語と日本文学の知識に触れることができ、自分の中に新たな地平が切り開かれたような気がして、何とも言えない爽快感とわくわく感に包まれている。



著者の他の作品も丁寧に読み始めたところだ。