目の前を見たことのない車が通り過ぎる。
角を曲がると変わった形の建物が目に入る。
インテリア雑貨のお店に所狭しと並べられている和洋新旧様々な色や形をしたモノ達。
世界はそれ自体が博物館だ。
目に入るもの全てが珍しく、興味深いものだと感じられる一瞬がある。
普段の何気ない風景が、まるで映画のワンシーンのようにカメラがゆっくりと引かれ、視界全体が客観視できるようになる。自分が映画の主人公から映画の観客になったかのようだ。
目の前にあるもの全ては誰かが作ったもの。
それが大きな工場であれ、小さな町工場であれ、誰かが作ったということに変わりはない。
作業員の流れるような手さばきも職人の神業のような手仕事もとどのつまりは愛情の一形態。
目の前に広がる世界は世界で一つしかない博物館なのだ。
その一つひとつの物の真価を見い出すためには受け手側の心が磨かれていなければならない。
この世界に唯一の博物館を心の底から楽しむためにもっともっと自分の心を磨いていきたい。