「モラルの葬式」とは、アンジェラ・アキの名曲である。
擬人化された「モラル」が死に、その葬儀に「愛」「哲学」「プライド」「献身」「知恵」「無垢」「理性」「同情」「真実」が参列している。
誰もが動揺を隠せず、それぞれの特性を表しながら悲しみに暮れている。
その題材は重く、描写は繊細。メロディは美しく劇的で、まるでハリウッドの大作を観ているかのよう。
「モラル」という息子を亡くした「理性」の心情を考えると胸が締め付けられる。
でも、なぜ「モラル」は亡くなったのだろう。
「モラル」を殺した犯人は他でもない我々現代人なのではないだろうか。
世の中をもう一度ゆっくりと見渡してみる。
目を凝らしてみる。
耳を澄ましてみる。
心を研ぎ澄ませてみる。
「モラル」はまだ我々の中に生き続けている・・・
と信じたい。
「真実」が失くした「希望」が皆の中で生きているように。