4月に入ってもまだ肌寒い日が続いていたけれど、気がつくと桜が咲き誇っていた。
風はまだ冷たいものの冬とは明らかに違う明るい陽射しに桜色が青空に映えて美しい。
日本人でよかったと思う瞬間だ。
入学、入園式、進級式にはつきものの桜。
東京大学が9月入学を決めたというニュースが頭をよぎる。国立私立を問わず8割以上の大学が追随の準備をしているという。
これもグローバルスタンダードへの対応の一つなのだろう。
近い将来、大学の入学式が9月になり、桜との組み合わせが見られなくなる。
それは、経済競争が世界規模に広がった今、人材競争も同じ土俵に上がらなければならないことを意味している。
それでもそこから得られるもの、失うものの分析が冷静にできているのであれば何も言うことはない。
世界的な人材獲得競争が激化し、いつの日か小学校の入学式や幼稚園保育園の入園式も9月になるような動きが出てくる時には、反対派に回るかもしれない。
桜と入学式という日本らしい風景を残すために。
日本文化を守るために。