ギリシャ危機の背景

昨日に引き続き週刊東洋経済2012年6月2日号で印象に残った記事について。



「ユーロ離脱か残留か 繰り返される危機」
 ギリシアはいずれ、ユーロから離脱か。だが、将来ユーロが崩壊する可能性は低い。



と題する記事で国際金融の専門家でユーロに関する多くの著書で知られる田中素香中央大学教授のギリシアの歴史観が興味深かった。



以下一部抜粋しよう。



ギリシャは西欧文明の発祥の地ではあるが、15世紀からオスマントルコの支配下にあった。ルネサンスやスペイン、ポルトガルの商業革命、フランス革命、産業革命、帝国主義といった西欧社会が歩んだプロセスにギリシャは参加しておらず、西欧の価値観を共有していない。また、4世紀にわたって労働の成果を支配民族に搾取されてきたので、一生懸命働くことは損だという考え方が浸透してしまっている。以上



史実は事実として受け入れればよいが、一生懸命働くことが損という部分はそのまま鵜呑みにはできない。してはいけない。とは言うもののますます混迷を深めるギリシャ問題の一因、背景と言われればつい納得してしまいそう。



現状には現状の理由がある。



現時点の周りの状況(競争や比較、協力から起こる部分=水平方向)とこれまでの経緯、歴史からくる部分(=垂直方向)があるということ。



民衆の願いとは関係なくギリシャはいずれユーロから離脱し、独自通貨(ドラクマ?)を持つことになるであろう。



ギリシャ再選挙は17日に迫っている。