平凡な人生

平凡な人生だけは送りたくなかった。



子供の頃になんとはなしに、時に強く感じていたこと。



大人になって改めて人生というものを考えると「平凡な人生」なんて一つもないということがわかった。



誰もが自分の人生の主人公であり、順風満帆の時もあれば至難の連続に見舞われる時もある。ピンチもあればチャンスもあるし、笑顔の時も涙を流す時だってある。怒りや憎しみに心を囚われることもあるだろう。後悔することも天にも昇るような陶酔感を味わうこともあろう。人生は常に当人にとっては壮大なドラマなのだ。



客観的に見て平凡な人生と言われることはあるかもしれないけれど他人の評価なんて気にする必要はない。ましてや自分で自分の人生を卑下してそう呼ぶ必要は一切ない。



自分の人生という壮大なドラマの主人公として、脚本家兼監督として堂々と作品を作ればいいのだ。



日々の生活をなんとはなしに送った結果ではなく、自分の作品としての人生を作る気概を持って。



平凡な人生なんてどこにも存在しないのだから。