都市部にいるとわからないことの一つに「過疎化」がある。
テレビや新聞では「少子高齢化」「地方間格差」「シャッター通り」などの言葉が躍らない日はないけれど、都市部を出ない人には実感が湧かないのではないだろうか。
今日はその「過疎化」に直面するエリアではないものの巨大資本のショッピングセンターや大手小売が林立する地域においても元気をなくしていない商店街とその夏祭りを取り上げてみたい。
猛暑の中、人々が「いい顔」をしていた。
もともとお祭りにしかめっ面をしている人は少ないのだろうけれど、普段の営業の厳しさや仕事のたいへんさを超えた何か清々しいものが人ごみの通りを流れていたような気がした。
少子高齢化という言葉は暗い雰囲気をまとっている。IT化やデジタル化はまばゆいばかりの明るさを持っている半面、鋭さと非情さを兼ね備えていて「人間らしさ」と相反する部分があると感じられてならない。
20世紀に入って急速に進化してきた我々の文明。
その終わりに生まれ、かつてないほどのスピードで世界中に広がったインターネットのおかげで21世紀は更なるスピード化、デジタル化が進んでゆくことは間違いない。
それは同時に人間のアナログさを浮き彫りにし、人間社会の「人間らしさ」「人と人とのつながり」を再認識させることになるであろう。
酷暑にも拘わらず人の心の熱さと人と人との触れ合いの温かさで清々しい気分になることができた。
これが結局は究極の「町の活力の源泉」なのではないかと強く感じた。