それにしても暑い。
茹だる(うだる)ような暑さとはまさにこのこと。
昨日この地域を襲った集中豪雨が地表や草木に吸い込まれ、その水分が強い陽射しで一気に蒸発してゆく。
街中にいるとコンクリートに囲まれ温められた熱気が逃げ場を失い人々を何の留保もなく蒸し上げる。
汗が額から滴り落ちる。
身体中からたっぷり塩分を含んだ汗が滲み出る。
それでも、汗をかいている時の方が体の調子がいいように感じるのは気のせいだろうか。
人々は暑さの対抗策としてエアコンディショナーなるものを発明し、暑さを殲滅させるように猛烈に冷房を効かすようになった。
もちろん限定された空間の中で。
通常の社会生活を送っていると同じ場所に四六時中いるわけにはいかず、移動することになる。
そうすると冷房の効いた空間と茹だるような暑さが広がる空間とを何度も行き来することになる。身体の体温調節機能が悲鳴を上げるのは火を見るより明らかだ。
汗をかくというのは体の体温調整機能の一つ。と同時に身体の中に溜まった老廃物を外に出すという目的もある。
汗はかかなければならないのだ。
人間は健康や快適さを求めて科学技術を発展させてきた。にもかかわらず目の前のことだけに対応することで気がつくと中長期的には反対のことをしているという気がした。
午後からは更に陽射しが強くなる。
ジリジリとアスファルトを焼き、空気を加熱していく。
暑さから逃げるのではなく、堂々と戦う、いや、楽しむ気持ちで笑顔で汗をかきたいものである。