木を見て森を見ず
目の前のことだけを見て、全体像を見失っている時によく使われる喩え。
ここではその反対の問題を取り上げてみたい。
全体像(森)だけを見て、概略がわかることで個別ケース(木)に注意を払わないことがある。
例えば、
会社の業績全体は悪くはないが、将来に致命的な問題を引き起こす可能性がある個別部署の問題に気がつかない
学校の成績が悪くないことでいじめの問題に気がつかない
東日本大震災の死者と行方不明者数は把握しているが、現場も知らず、現実に生活が破壊され苦しんでいる人たちのことを知らない
自分の身に降りかかる個別ケースは誰もが自分で対処することになる。「木を見て森を見ず」はそんな時に起こりやすいけれど、全体を把握していれば、それで満足してしまいがち。
視野が狭くなることが問題なのは言うまでもないけれど、たとえ遠くが見えても近くが見えにくくなるのであればそれはまた別の問題。
森を見て木を見ず
は、老眼という別の問題の始まりなのかもしれない。