負ける強さ
或いは、負けることによって得られる強さとでも言おうか、
そんな強さに想いを馳せることになった。
1年と少し前のこと。日本ボクシング界最強とも謳われた長谷川穂積バンタム・フェザー級世界チャンピオンが負けた。
出演していたとあるテレビ番組で言っていたことを今でも鮮明に覚えている。
「負けた僕は前より強くなっているはず」
負けることが悪いのではない。
負けて、そこで終わることがよくないのだ。
やめたらそれまで築き上げてきたものが崩れてしまう。
負けても立ち上がれば、物語は続いてゆく。
負けることを恐れてはいけない。
負けても立ち上がる強さを身につけたい。
負ける強さを身につけたい。
長谷川穂積は今年4月に再びフェザー級世界チャンピオンに返り咲いた。