汚れっちまった悲しみに
汚れつちまつた悲しみに
今日も小雪の降りかかる
汚れつちまつた悲しみに
今日も風さへ吹きすぎる
汚れつちまつた悲しみは
たとへば狐の皮裘
汚れつちまつた悲しみは
小雪のかかつてちぢこまる
汚れつちまつた悲しみは
なにのぞむなくねがふなく
汚れつちまつた悲しみは
倦怠のうちに死を夢む
汚れつちまつた悲しみに
いたいたしくも怖気づき
汚れつちまつた悲しみに
なすところなく日は暮れる・・・・・
小学生の頃だったか。当時気になった詩を改めて読む機会を得た。
作者である中原中也について調べてみると優男の肖像写真とは裏腹なタフな人生を送った人物であることを知った。
戦い続け、そして愛する人を失い続ける人生はなんてつらく苦しいのだろう。
その悲しみも彼にとっては汚れっちまったのか。
汚れた悲しみというのは一体何なんだろう。
真の答えは誰にもわからない。
それでもいい。
想い広げることに価値があるのだ。