産業を創る人

ここ連日建物や組織、関係性について考えてきた。



昨日は「創る人」と題して、新しいモノを創る人に焦点を絞って思考を深めた。



「創る人」は「未来を創る人」でもあると締め括った。



閉塞感に見舞われて既に20年の時が過ぎてしまったこの国日本。



空気が少なくなってきたにも拘わらず、その生活に慣れてしまって閉塞感さえ感じなくなり、思考も行動もどんどん小さくなっている。



内定をもらうための必勝法
大企業も安泰ではない
海外赴任は断る
草食系男子・・・



清貧も一つの価値観だから否定をするわけではないけれど、そこには夢や希望は感じにくいこともまた事実。若者が多量に持っているべきはずの夢や希望がこの国には稀少金属のような状態になってしまっている。



そんな中、先日友人から聞いた話は久々にスケールが大きく、胸がすく思いになれた。



友人の知り合いが東京の大学院に進学する。そこで求められている論文のテーマは「日本に新しい産業を興すアイデア」だ。



一つの商品開発ではなく、一つの起業ではなく、一つの産業を創るためのアイデアを募集するというのはなんとも壮大で話ではないか。



まだ本人はアイデアを練っているらしいが、そんなスケールの大きいことを考える人間が一人でも多くなっていくことが日本を再び元気にさせる方法なのではないか、そんな気がした。



約140年前の明治維新の時にはみすぼらしい日本人しかいなかったけれど、彼らが唯一持っていた財産は未来への希望と壮大な夢だった。



閉塞感を閉塞感と感じなくなってきている理由は神経が麻痺してきているからではなく、この国のどこかに風穴が既に空いていて、我々が気づかぬところで既に爽やかな風が通り始めているからではないだろうか。



「創る人」がたくさん生まれてきているからではないだろうか。



その中に一人でも多くの「産業を創る人」がいることを信じたい。