遥か彼方に

水平線/地平線の向こう、遥か彼方に何かが見え始めた。



目を凝らしてかすかに見える程度だけれど、



この世界を思い通りに生きる方法が。



かすかに浮かぶその方法とは、



「自分を優先しないこと」



自分が思い通りに生きるための方法が自分を優先させないとはなんという皮肉。



自分を最も活かすための方法が自分を犠牲にすることだったとはなんという矛盾。



遥か彼方に見え始めたものが実像を伴うものかはわからない。



虚像かもしれないし、砂漠に現れる逃げ水のようなものかもしれない。



確かめる唯一の方法は、自分でその場所へ行くこと。



遥か彼方に見え始めたものから目を離さず、



オールをしっかり持って漕ぎ出そうではないか。



一歩一歩大地を踏みしめて歩き出そうではないか。