空の距離感

分厚い雲が広がる暗い空から一瞬光が漏れた。



不安定な大気が引き起こす壮大な空のショーだ。



数分毎に空全体がパッと明るくなる。



しかし、



雷鳴が轟くことはなく、雨もポツリポツリと落ちてくる程度である。



「ゆうに2、300キロは離れているでしょう」



入道雲が広がる青い空を見ながらかつての上司が呟いた一言が蘇る。



せいぜい2、30キロかと思っていた空の距離感はてんで当てにならないことを知った。



空は、果てしなく続いている。



大阪の空は東京の空と繋がっている。



東京の空はニューヨークの空と繋がっているし、ニューヨークの空はパリの空ともイスタンブールの空とも北京の空とも繋がっている。



空の彼方をじっと見つめてみる。



あの空の下にはどんな景色が広がっているのだろう。



どんな街が広がっているのだろう。



心の中で想像力は無限に広がっていく・・・