墜落災害の絶無

ある工事現場に掛かっている横断幕に目が吸い寄せられた。



「墜落災害の絶無」



と書いてある。



「なるほど、墜落事故を絶対に起こさないということなんだ」



そう理解すると同時に「絶無」というこれまで聞いたことがない言葉にそれが正当な言葉なのか専門用語か、はたまた造語なのかわからず不思議な感じがした。



調べてみると国語辞典に載っているちゃんとした言葉。「事故の絶無を期する」というまさにぴったりな例文も掲載されていた。



改めて考えてみたい。



自分の生活において否定的で思わしくないことを根絶する気はあるだろうか。



皆無、絶無、全く無い、何も無いという状態を作り出すためには強い意志と努力が必要なことは想像に難くない。



職場や家庭において何かを「絶無」にする意志と覚悟はあるだろうか。



行動はあるだろうか。



さもなければ、



調子に乗り過ぎて、いつかは高みから墜落する事故を起こしかねない。