鈍る観察眼

観察眼は常識によって簡単に鈍ってしまう。



先月放送された「世界一受けたい授業」に出てきたフレーズにハッとさせられた。



京都造形芸術大学教授 小野日佐子先生の言葉。



番組内のコーナーで絵が下手な人を2週間で改善させる手段として対象物を逆さに描くことが紹介された。



絵がうまくない人は無意識で目はこうだろう、鼻はこうだろうという先入観やイメージで描く傾向があるという。



対象物を逆さまにすることで見たこともない構図になり、真剣に観察せざるを得なくなる。その結果、観察力が上がり、見たままの形をより正確に描き易くなる。



実際にチャレンジした人が自分でも驚くほど集中し、観察することができたと語っていた。よほど頭に焼き付いたようで対象物が何度も夢に出てきたという話が印象的だった。



逆に言えば、我々は常識という先入観で観察眼を鈍らせていることになる。



常識という共通理解があるからこそ人のコミュニケーションは大幅に効率化される。



しかし、常識の影の部分が観察眼を鈍らせ、真実を覆い隠すことも忘れてはいけない。



どうすれば常識の影の部分を打ち消すことができるだろう。



どうすれば先入観に囚われずに真実を見つけることができるだろう。



人生の課題は目の前に積み上がっていく・・・